「by car」?「by a car」?ー「by + 無冠詞の名詞」の感覚
手段を表す「by」に続く名詞
答えは「car」になります。
よく問われる文法事項ですね。
まず、「by」は「そばに」の意味ですが、そこから「…によって」という「手段」も表現します。
I sent them a message by e-mail.
(私はメールで彼らにメッセージを送った)
「e-mail」という「手段」を使って、メッセージを送ったニュアンスですね。
さて、ここで問題になってくるのは「英語と日本語の感覚の違い」です。
まず「私は昨日、車を買った」と表現した場合、それはどんな色でどんな車種なのかまでを具体的にイメージしています。
つまり、話者の頭の中には「実際に存在している車」があるわけです。
そしてその場合は「無冠詞」ではなく、必ず「冠詞」を伴います。
I bought a car yesterday.
(私は昨日、車を買った)
しかしながら、「私は車で仕事に行きます」の場合はどうでしょうか。少しイメージがモヤモヤッとぼやけるのが感覚的に分かるでしょうか?
というのもそれは、特に「実際に存在している車」ではなく、「移動手段としての車」を想定するからです。バスでもなく、電車でもなく、自転車でもなく、車でね、の感覚。
つまり、「概念」としての「車」を想定しているわけです。
そうなった場合は先ほどと違い、「冠詞」を付けず、「無冠詞」で表現します。
I always go to work by car.
(私はいつも車で仕事に行きます)
別に車だけでなく、「飛行機が上を飛んでいるのが見えた」なら明確なイメージがあり、「北海道には飛行機で行ったんだ」ならモヤモヤッとイメージがボヤけるのが分かると思います(前者は「a plane」で表現できますし、後者は「by plane」です)
ほんのちょっとの違いで、また日本語の常識では捉えられないので、どうしても難しくなってしまうのですが、イメージを通して感覚を掴んでいきましょう。
以下、この「手段のby + 無冠詞の名詞」を使った例文を紹介します。
- Some people came by train while others came by car.
(電車で来た人もいれば、車で来た人もいる) - I came home by taxi.
(私はタクシーで帰宅した) - Many of the city’s populace travel to work by subway or bus.
(街の多くの人々は地下鉄かバスで仕事に行く) - Much of his work is done by phone.
(彼の仕事のほとんどは電話でなされる) - Can you send it to me by fax?
(それをファックスで送ってくれませんか?) - This toy was made by hand.
(このおもちゃは手作りだ)
以上、「by + 無冠詞の名詞」について、でした。