今回、『The Sesame Street Dictionary』を紹介します。
日本人の英語は、ネイティブの子供にも及ばない
「Picture Dictionary」とは言葉の意味を「イラストを使って」紹介している辞書です。書店に行くと、沢山の種類のものがありますが、一番充実しているのはこちらです。

よく書店さんに「イメージで学ぶ」系の本がありますが、それよりも遥かにイメージが多いです。
ただ、難点は日本語訳と解説がないことです。そのため、「大人の初心者」の方には難しいかもしれません。ある程度の文法知識はあったほうがいいです(中学卒業レベル)
さて、もちろんこれは英語圏の子供向けのものですが、十分、日本人の大人にも使えます。
というのも、私たちはどれだけ頑張っても、「英語圏の子供の英語力」には敵わないのですから。
さて、それはなぜでしょうか。
それは、彼らは日本語に置き換えて学ばないため、柔軟な英語の発想ができるからです。
ネイティブは子供の頃から、「簡単な言葉を使い、柔軟に英語で説明できる能力」を日々育んでいます。

日本人の英語学習に、決定的に「欠落」したのは、この能力です。
「基本動詞」や「前置詞」が使いこなせないまま、どんどん「難解な単語の日本語訳」を詰め込んでいるので、ここの感覚が完全に置き忘れられてしまっている状態です。
よく書店に「○歳児のように考えれば、英語を話せる」のような本も多いと思いますが、それはこのことを言っています。
恐らく皆さん、学校で、「have」や「get」だけで、何時間も勉強したことはないでしょう。「have=〜を持つ」「get=〜を得る」などの丸暗記で、終わらせませんでしたか? 少なくとも私はそうでした。

英会話コーナーに行くと、「動詞・前置詞をイメージで」というコンセプトの本がズラリと並び、大人が何度もやり直しているのは全てこの部分です。
一つ、例を見てみましょう。

さて、英語圏の子供は、こうやって「dress」を理解します。
しかし、日本ではこう理解させます。
「衣服は着るものです。ベティ・ルーは衣服を身につけているところです」

もちろん、英語圏の子供たちはこんなことをしません。
彼らはイラストを見ながら、これが「dress」だと覚え、この状態が「be putting on」だと、そのまま感覚で掴むのです。

「dress」を「衣服、〜に服を着させる」、「be putting on」を「〜を身につけているところです」と日本語に置き換える日本人。
「dress」を見て「dress」、「be putting on」を「be putting on」しているシーンを見て、そのまま覚えていくネイティブ。
一緒だと思うでしょうか?
いえ、それは「西」と「東」くらいに、全く違うのです。
日常に英語を被せていく、ネイティブ方式の学び方
もう一度、この絵を見ましょう。

「dress」の説明に、「A dress is something to wear.」とあります。
日本ではこれを、「衣服は着るためのものである」と、「不定詞用法」という文法用語を用い、中学2年頃に学びます。
別にそれでもいいと思う方もいるでしょう。
しかしその方は、「不定詞用法」が日常の中で、言葉として浮き上がってきたことがあるでしょうか?
今まで沢山の衣服を見てきたことがあるはずです。今も着ていませんか?
しかし、それが、「something to wear」だと認識できたことが、ただの一度でもあるでしょうか?

見てみて下さい。それが、「something to wear」なのです。
そして、その文字を日本語に置き換えたら、「着るための何か」になるだけなのです。
「something to wear」は「着るための何か」ではなく、今、自分が着ているもののことだった。
全てのものには「存在意義」がある、と考えてみましょう。
コーヒーなら「something to drink」、クッキーなら「something to eat」、本なら「something to read」

どうでしょうか? 日常に英語が浮き上がってこないでしょうか?
これが「イメージ(生活)で学ぶ」ということです。
場面(イメージ)で学べば、日本語に振り回されない
折角ですので、もう一つの文章も見ましょう。
日本では、「be …ing=〜しているところだ」、「put on…=〜を着る」と日本語に置き換えます。
しかしもちろん、英語圏の子供たちは、この「状況」で理解します。

絵をみて下さい。ボタンが全部止まっていません。途中段階です。彼らはこの時制を「be …ing」と感覚で理解します。
そして、体に身につけています。これを「put on」だと理解します。
そのため、自分がパジャマを着ている途中なら、「I’m putting on my pajamas.」などと、すぐに言えます。

また、「put on」は別に、帽子でも靴でも眼鏡でも使えます。

しかし、これが日本語なら、「かぶる」「履く」「かける」などと動詞が変わります。
ただ、彼らはすぐに「I’m putting on my shoes.」と迷いもなく、言えます。
そう、「『履く』って英語で何?」と1ミリもならないのです。日本語に振り回されることはない。
ネイティブの子供は「put on」の日本語訳ではなく、「どういう状況(イメージ)」なのかを学んでいるため、日本語に振り回されることがない。
また、英語と日本語は、極めて「相性も悪い」のです。
例えばパジャマ一つにしろ、上下あるので、複数形(pajamas)で捉えます。他言語ですから、こうした「誤差」が色々あります。
英語のゴールが「翻訳家」であれば、それでもいいかもしれませんが、もしも英語の話者になるというのであれば、できる限り彼らと同じ教材、同じ学び方を真似するべきだと思うのです。
そしてこの「Picture Dictionary」は、ネイティブ感覚をつける最高の教材だと思います。
是非、イメージを効果的に使いながら、どんどん英語を「そのまま」理解していきましょう。
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