「ハサミ」はどうやって数える?ー「絶対複数」という考え方
必ず「対」で使うもの
答えは「have」になります。
日本語と英語の、大きな違いの一つは「数の概念」です。
よく引き合いに出されるのが、松尾芭蕉の有名な俳句「古池や蛙飛び込む水の音」の英訳の難しさです。
この英訳が難しいのは、これだけの描写では「蛙が何匹いたのか分からない」のです。
一匹ならもちろん「a frog」ですし、二匹以上なら「frogs」になってきます。
このように、英語はしっかりと数えられるものは言葉として現れますが、日本語は数にほとんどこだわりません。
そのため、日本語から英語にした途端、数がズレてしまうことが多々あります。そして、よくあるのが、ハサミや靴など「対になったもの」です。
- shoes(靴)
- gloves(手袋)
- compasses(コンパス)
- glasses(メガネ)
- socks(靴下)
- scissors(ハサミ)
- shears(大バサミ)
- pants(ズボン)
- trousers(ズボン)
- jeans(ジーンズ)
- pajamas(パジャマ)
普通、靴やハサミを片方だけで使うことはありません。そのため、これらを使う時は必ず「複数形」になります。
ちなみにこのような、確実に複数形で使うものは文法用語で「絶対複数」と言ったりします。
一応、例文を見てみましょう。
- Your glasses are nice.
(あなたのメガネ、素敵ね) - These shoes need to be repaired.
(この靴は修理しないと)
では例えば、靴の片方がどこかに行ってしまった場合は、どう表現するかというと、もちろん「単数形」です。
Where is the other shoe?
(片っぽの靴はどこに行った?)
一個なので、単数形ですね。
ただ、この理論でいくと、例えば「I bought four shoes.」と表現した場合、「4組の靴」を買ったのか、「4つの靴(つまり2組の靴)」を買ったのか、分からなくなってきます。
どうすればこうした数の混乱が防げるかというと、「a pair of …(…の1組)」を前に付ければ解決です。
I bought two pairs of shoes at the department store.
(私はデパートで2組の靴を買った)
これで、二組の靴を買った、と綺麗に伝わります。
何よりも「I bought two shoes.」と言うより、「I bought two pairs of shoes.」と言った方が、英語っぽく響きますよね。
以上、「対」になるものについて、でした。