英語の語源「cast」は「投げる」を表す
「overcast」=どんよりした、曇り空の
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、「overcast」は天候を表す形容詞で、「どんよりした、曇り空の」の意味です。
そして、その成り立ちは「over(上に)」+「cast(投げる)」です。
ちなみに似た意味の「cloudy」との違いですが、「cloudy」は雲が多く、その隙間から太陽が見えている可能性もあるのに対し、「overcast」は空一面を灰色の雲で覆い隠しているような状態をさします。
そして、「cast」は「投げる」を表します。
釣りで「キャスティング(casting)」と言えば「投げ釣り」のことになりますが、「cast」は正しく「投げる」意味の動詞です。
cast【kæst】
:投げる
Ex) The fisherman cast his net into the river.
(その漁師は網を川の中へ投げた)
また、「配役」のことも「キャスティング」と言いますが、こちらも「役を投げる」意味です。
:(…)に役を割り当てる、配役する
Ex) He was cast as the villain.
(彼は悪役としてキャスティングされた)
*villain:悪役
そして、光や影などを投げかける時も、よく「cast」を使います。
:(…に光や影などを)投じる
Ex) The tree cast a long shadow on the lawn.
(その木は芝生に長い影を投げかけた)
イメージはすべて同じですね。
また、「weather forecast(天気予報)」の「forecast」も、「(天気の)予想を投げる」ニュアンスになります。
forecast【ˈfɔːrkæst】
:予想、予測
=【fore(前に)】+【cast(投げる)】
(前もって予想を人々に投げる)
以下、「cast」由来の単語を紹介します。
語源「cast(投げる)」が入った英単語
broadcast【ˈbrɔːdkæst】
:放送する、放送
=【broad(広い)】+【cast(投げる)】
(幅広く投げかける意味)
Ex) The soccer match will be broadcast over the internet.
(そのサッカーの試合はインターネットで放送されます)
castaway【ˈkæstəweɪ】
:漂流者
=【cast(投げる)】+【away(離れて)】
podcast【ˈpɑːdkæst】
:ポッドキャスト(音声や動画などのデータをインターネット上に公開する手段、またはそのサービスのこと)
=【pod(iPodのこと)】+【cast(投げる)】
以上、英語の語源「cast」について、でした。