「fall」と「drop」のニュアンスの違い
ボトッと落ちる、落とすのが「drop」
答えは「dropped」になります。
まず二つの違いとしては、「drop」は「…を落とす」という他動詞用法があるのに対し、「fall」は自動詞用法しかありません。
つまり、「fall」は「何かが落ちる」という場合にしか使えないのです。
Leaves are falling from the trees.
(葉っぱが木々から舞い落ちている)
そのため、文法的に「fall your smartphone」はNGです。
次にニュアンスの違いですが、「fall」は空気抵抗を受けながら、比較的にゆっくりと穏やかに落ちるのに対し、「drop」は重力の影響を100%受けて、急激にボトッと落ちたり、落としたりする時に使います。
「fall」の一番いい例が、「枯れ葉」です。正しく「fall」のイメージです。
もちろん、枯れ葉は秋の定番シーンなので、季節自体、アメリカ英語では「fall」と呼ぶようになりました(イギリス英語では「autumn」です)
「fall」の例文を見てみましょう。イメージしてみて下さい。
- The rain was falling steadily.
(雨がしとしとと降っていた) - The label must have fallen off.
(ラベルが剥がれ落ちたに違いない) - A vase fell off the shelf.
(花瓶が棚から落ちた)
最後の例文の花瓶はもちろん、ひらひらとは落ちないのですが、別に間違いではありません。重いものでも「fall」で表現することは多々あります。
ただし「fall」ではなく、あえて「drop」が使われている場面では、急激さやボトッと落ちる感じが伝わってきます。
An apple dropped off the tree.
(リンゴが急にボトッと木から落ちた)
こちらも例文を見てみましょう。
- The book dropped from my hand.
(本が私の手から落ちた) - The ball dropped between the right and center fielders.
(ボールはライトとセンターの間に落ちた) - They dropped bombs on the city.
(彼らは市街地に爆弾を落とした)
特に三つ目の爆弾の例文は「drop」の使い方を端的に表しています。爆弾は急激に落とすものであり、かつ上で説明した通り、他動詞用法があるのは「drop」です。
また、ちなみに倒れる時も「fall」と「drop」を使うことができますが、もちろんニュアンスに違いがあります。
「fall」は比較的軽症な場合に使い、「drop」は重症なものに使われがちです。
I lost my balance and fell on the ground.
(バランスを崩して、地面に倒れた)
The climber slipped and dropped to his death.
(その登山者は滑落して、亡くなった)
急激でボトッと落ちる感覚が、「重症」のイメージに繋がっていると思われます。
以上、「fall」と「drop」の違いについて、でした。