推量の「may」と「might」の違い
助動詞は「過去形」にすると、控え目になる
助動詞「may」は「可能性」を示して、「…かもしれない」という意味になります。感覚的には、その可能性があまり高くない時に用いる助動詞です。
例文を見てみましょう。
If you work hard now, you may end up sitting in the boss’s chair some day!
(もしももっと一生懸命働いたら、いつかは社長の椅子の座に収まるかもしれないな)
この場合、あまり自分の発言に責任を持っていません。
「そうなれるかもしれないし、そうなれないかもしれない。知らんけどな。ガハハハハ」くらいの感覚です(確率的には「50%くらい」と言われています)
そのため、「It may rain.」であれば、「降るかもしれないし、降らないかもしれない」の50:50な気持ちです。
そして、「may」の時制を過去形「might」にすると、確率は20〜30%くらいにまで落ちます。
というのも、「過去形」は「距離感」を表します。判断や気持ちが「控え目」になります。
これは別に「may」だけではなく、他の助動詞も同じです。
At this time of year many birds can/could be found on the island.
(この時期、その島には沢山の鳥が見られる)
「can」の方が断定的に響き、「could」にするとやや発言に自信のないように聞こえます。
また、「may」は基本的に「…してもいいですか?」という「上下関係」を表す助動詞でもあるため、音も固く響き、日常会話では避ける傾向にあります。
そのため、会話では圧倒的に「might」の方がよく使われる、と言います。
「might」の例文を少し見てみましょう。
- It might be true.
(それは本当かもしれない) - It might be just a coincidence.
(それってホント、たまたまかも) - If we hurry, we might get there before it rains.
(もしも急げば、私たちは雨が降る前に着けかもしれない)
「may」も「might」も訳すと「…かもしれない」になりますが、こうした微妙な感覚の違いを押さえておきましょう。