英語という「教科」から、英語という「言葉」へ
「話せる」に向けた英語の学び方

話せるようになるための、英単語のオススメの覚え方

明治時代から続いてきた、日本人の英単語の覚え方

さて、今回は「英単語の覚え方」について、私なりの視点を書きます。

まず、よく「英単語が覚えられない」という方がいます。私は以前、塾講師を5年していて、スペルや日本語訳が覚えられない子を、沢山見てきました。1時間、ずっとスペルを書くのに、夜の11時まで付き合ったこともあります。

もしも皆さんが、学校の成績のために英語を学んでいるのであるなら、スペルはまず、書いて覚えるしかないでしょう。日本語訳も必要です。スペル暗記も必要なら、「Monday」も「もんでー」で覚えてもいいかもしれません。

ちなみに私は昔、英和辞書を一冊覚えました。「読解の鬼」でした。

ただ、テストの点は取れましたが、「話せる」には直結しませんでした。

口から自然と出てこなかったり、ネイティブが耳や口にしたこともない、不自然な英語が増えただけでした。

そしてもちろんですが、受験前は「文字で頭の中がパンパン」でした。「転んだら、単語が二、三個落ちちゃうかもしれない」と、友達と冗談を言っていたのを、今でも覚えているくらいです。

そして、恐らく皆さんも単語帳を使って、頭がパンパンになった記憶があると思います。日本で学んでいる以上、単語習得とは、そうなるはずです。

それではここで一つ、こんな質問をしたいと思います。

皆さん、今まで日本語を覚える時に、頭がパンパンになって覚えられなくなったことがありますか?

英単語は人の名前を覚えるのと、何も変わらない

恐らくないはずです。私も塾で、そんな子は見たことがありません。「センセ、日本語が覚えられないー」は皆無でした。どんな子でも、です。

どうしてでしょうか。

日本語はすんなり覚えていけるのに、英語は頭がパンパンになる理由は。

これに関しては、「人の名前を覚える」のと一緒だと思います。

皆さん、中学や高校など、新しく入った「学校の初日」を思い出して下さい。「仕事の初日」でも構いません。

「周りが、誰が誰だか分からない状態」だったと思います。初めて目にする人ばかりだったから、当然です。

しかし、そのうちです。「誰が何と呼ばれているか」聞いたり、お互いに自己紹介をしたりして、どんどんクラスの人たちに、名前がついていったでしょう。

「へー、あのオドオドした男の子、山崎っていうんだ」

「あの男子、蝶野っていうんだ。いつもグラサンしてるけど、怖くね?」

こうして、自然と増えていきました。そして約1か月したら、ほぼ全員の名前が呼べるようになっていたはずです。

「名称と実体を合わせる行為」が、言葉を覚えるプロセスです。

だから、「蝶野」と聞けば、怖くなります。なぜならそれは、本人を思い出すからです。本人と「蝶野」という名前が結びついている

これは、人の名前に限りません。以前にも書きましたが、日本語はまず名詞から始まり、どんどん表現を付け足していきました。

「お茶」
「あったかいお茶」
「あったかいお茶が飲みたいなー。ねえ、淹れてもらっていい?」

そう、「自分の日常」に音を重ねていっただけなのです。こうして日々、生活を重ねるたびに、雪だるま式に日本語は増えていきました。

「生活の長さ」と「言葉の上手さ」は比例関係にある。

だから、言葉が覚えられないことなんて絶対にないはずです。覚えにくいものがあっても、回数を増やせば全部覚えられてきたでしょう。「この日本語、どうしても覚えられなかった」というものはなかったはず。

ちなみに私が今までに覚えられなかったのは、高校の日本史で出てきた、長ったらしい仏像の名前くらいです。あれだけはテスト前日に、諦めました。

そう、文字の羅列というものは覚え辛い。

それでは英単語はどうでしょうか。

日本語のように、日常に重ねていきましたか?

文字から、単語帳で、全部覚えていませんか?

文字の羅列を覚えてキープするのは、不可能に近い

a 冠詞 一つの、一人の、一匹の
sidewalk 名詞 (舗装された)歩道
walk 動詞 歩く、〜を歩かせる

私たちはこういう感じで、英単語を覚えてきました。

当然、すぐに頭がパンパンになります。文字の羅列を覚えているのですから。仏像の名前と変わりません。増えれば増えるほど、辛くなります。そして、頭のいい子以外は脱落していきます。

先ほどのクラスの例を使うと、生徒名簿を丸暗記しようとしたら、キツイはずです。

しかし、一人ひとりの顔を見て、そこに名前をつけていったら、どうでしょうか。

とっても楽だと思いませんか?

オドオドしている男の子を、「山崎さん」と覚える。

グラサンをかけている男の子を、「蝶野さん」と覚える。

文字の丸暗記ではないので、頭がパンパンになりません。そして忘れません。ピッタリと日常に重ねて、何回も言って覚えてきたのですから。誰でも覚えられる。毎日見れば、復習ができる。繰り返せる。

学生時代の教科書の文字なんて、覚えている人はいないでしょう。どうせ受験が終わったら、全部忘れます。そしてまたやり直しても、すぐに忘れます。

あの1時間、単語の書き取りを頑張った子も、きっと今は全部忘れているはずです。教えていたのは、テストのための「文字の羅列」だったのですから。

英単語をどうやって覚えていけばいけば、「話せる」になるか

単純なことです。文字からではなく、「人の名前」を覚えるように、そのまま重ねて覚えていけばいいのではないでしょうか。


a (kitten), a (flower)


sidewalk


(to) walk her dog

物理的に、これを繰り返し言っていれば、覚えられます。日本語のプロセスと一緒で、頭がパンパンになりようもありません。

また、日本語訳だって要りません。そして、絵(状況)があることで、自然と目的語もぶら下がってきます。本来、目的語と一緒に動詞を覚えるのが、正しい覚え方です。そのため、不自然な英語もできないはずです。

そして、スペルも別に、音を殺してまで、覚えなくてもいいのではないでしょうか。それよりもまず、発音の方が大事です。もしも、「英語の話者になる」のが学ぶゴールであれば、です。

こうして「学校英語」が「話者」になるのと、全く別のことをしているので、日本人の英語は「話せない」に繋がっています。

塾で指導したあの子もずっと、書き取りではなく、それに当たる英語を言わせておけばよかったと、今は思います。その方が今、あの子に何かを残せていたでしょう。

「話者になるための英語」と「学校英語」は、単語の覚え方を分けて考えるべき。

話者になりたい方は、まずはフラッシュカードをやりましょう。日本語を抜いて、人の名前を覚えるように、新しく「英語の名前」をつけてあげて下さい。絶対に覚えられます。どんな人でも、です。

Let’s give it a try.です。

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日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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