英語を日本語に切り替えず、そのまま理解する
「話せる」に向けた英語の学び方

英語を話せないのは「メンタル」のせいなのか

日本人が話せないのは、本当に「メンタル」が弱いからか

よく、「日本人はメンタルが弱いから英語を話せない」という指摘があります。

「ネイティブ発音ができないこと」や「文法が間違っていること」を恐れているせいだ。だから、英語を口に出せない。

そういう方も、もしかしているかもしれません。

ただ、そうではない可能性がかなり高いです。

これを確かめる、とても「簡単な方法」があります。

誰もいないところで、一人で英語を話してみて下さい。発音や文法がぐちゃぐちゃでも構いません。3分で判明します。話し続けてみて下さい。

もしもそれができるのに、ネイティブを前にしたら、間違いなどを恐れて、発話量がガクンと減るのであれば、それはメンタルが弱いのかもしれません。

ただ、一人で3分も英語が出てこず、片言で終わってしまうのであれば、ネイティブを前にしようが、結果は一緒です。

それどころかアガってしまって、片言以下になるでしょう。

私が今までに見てきた「多くの日本人」は、これです。そして、昔の私もそうでした。

日本人には「話すためのインプット」が、何にもされていない。

ボクシングのジャブ打ちを「インプット」してみる

別に「インプット」とは1種類ではありません。

まず、ここをクリアにしておかないと、「英会話」という迷宮から出られなくなります。

例えば私は昔、ボクシングの選手でした。まず、ボクシングの基本はジャブです。少しだけお付き合いください(写真は私ではありません。フリー素材です)

右利きの人は、まずこう構えます。左手、左足を前にして、体を傾けます。そして、両拳を軽く握り、肩の力を抜く。耐えず相手の攻撃に備え、両手両腕で、体をできるだけガードします。

そのままの姿勢で、左手を軽く前に突き出す。これがジャブです。しかし、これで相手をノックアウトはできないので、ジャブで攻め、相手のガードが下がってきたところを、渾身の右ストレートでダメージを負わせます。

さて、これがジャブの基本です。インプットできたでしょうか。

「じゃあ、戦って下さい」

「え?」となった方は、もちろん「正しい反応」です。

英語を話せるための「インプット」は別にあった

「原理」と「実践」のインプットは違います。

頭で原理を理解していても、体でそれが実践できるかどうかは、「体を動かしたかどうかの練習次第」でしょう。

ジャブ打ちの原理は分かった。(頭で)インプットした。

ジャブ打ちを沢山やった。(体で)インプットした。

同じ「インプット」です。言葉上、は。

ただ、「中身が別」です。前者は「頭」を使い、後者は「体」を使った。体を反復して動かし続けたことで、頭を使わず、反射的に体が動くようになった。

実は、こういうインプットもあるのです。

そして、それが「言葉の習得過程」です。

気づいていませんが、皆さんはそうやって、日本語の話者になったのです。やっていない人はいないはずです。

実際にジャブ打ちを「する側」であれば、後者の道を辿らないとできません。つまり、何度も口を動かして、言う。

そして、英語を話せずに困っている方は、大抵の場合、「頭」だけのインプットになっている場合が多いです。

主語が三人称になったら、一般動詞の語尾に「s」をつける。これが原理。

三人称について語る時、一般動詞の語尾に「s」をつけて何度も言う。これが実践のインプット。

男性の所有物には、「his」をつける。これが原理。

男性の所有物には、「his」をつけて何度も言う。これが実践のインプット。

口を動かしてきた経験のない人は、三単現のSは抜け続けるでしょう。そして、普段つけて言ってきた経験がゼロの状態なので、慌ててつけた結果、間違い続けます。「his」なのに「her」と言ってしまう。英会話で失敗した人は、経験があるはずです。

何より、自分で英語を紡いだ経験がないので、英語を間違うどころか、何も口から出てこない。独り言が1分間も続かない。

そのため、別にネイティブを前にしたから英語が出なかったのではなく、何にも「話すためのインプットが行われていなかった」と考えた方が健全です。

日本人が英語を話せないのは、「自分の気の持ちよう」で何とかなるような、単純な「精神論ではない」と、私は強く思います。

ジャブを一本も打っていないのに、あらゆるボクシング理論を詰め込んでしまった。そしてそれが「自分のものになっている」と勘違いしていた。

それだけのことです。

そして、その練習はネイティブを必要としません。一人でするものです。

ここを全部、ネイティブとの空間に任せようとすると、一方的に喋られて終わってしまいます。「負のループ」が始まってしまう。

スクールやオンラインレッスンで失敗しているのは、大抵このケースです。現場でそんなシーンを嫌という程、見てきました。

「話すため」のインプットをしていくために

よく言語はスポーツと変わらない、運動と一緒だ、何度も口にしよう、音読しよう、という方がいますが、これはとても正しいことを言っています。

よければ、こちらの「Numbers」のフラッシュカードをしてみて下さい。

恐らく、英語で生活をしたことのない方は、上のフラッシュカードで口がついてこないはずです。今まで練習してきたかどうか、の話ですから。

ここを、あとは「精神論」でペラペラまでもっていけると、考えないでください。それでは日々の成長がなくなってしまいます。どんどん迷宮にハマります。

ネイティブと同じ空間にいたら、ペラペラ英語が出るのではない。結局は、「自分で英語を口から出した回数」が大事。

そして「覚えた英語をネイティブに聞いてもらい、発音や表現を直してもらう」が一番理想的なスタイル。

スクールなどで、英語が口から出ず困っている方は、よければ事前に、「今日喋ろうとしている内容」を、まずは名詞単位でも何度も口にしてから臨んでみて下さい。恐らく、結果が好転するはずです。

頑張って、日々「口」を動かしていきましょう。

日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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