英語を日本語に切り替えず、そのまま理解する
英文法×イメージ

英語には「日本語訳」と「状況」の2通りの理解がある

「言葉を理解する」って何だろう

これは『「英語で考える」とは』にも書いたことですが、まずは日本語の観点から、「言葉を理解すること」について考えてみます。

もしも自分に息子がいて、こう言われたとします。

「今日、友達とサッカーしてきた。ゴール決めたよ」

さて、クイズです。

息子は以下の①〜⑤の中のどれだと思いますか?

必ず考えてみてください。

友達とサッカーをしてゴールを決めた息子はどの子か。

「言葉」とはどうやって紡いでいるのか

恐らく誰もが、②を選べたと思います。

これを①や⑥と答えた人は「サッカー」を分かっていません。「ゴール」や「友達」の意味も分かっていません。

ではなぜ、間違えずに②を選べるか。

それを伝える前に、まずはこの写真を見てください。

「スケート靴を持った女の子が、後ろを振り返っている」

恐らく日本人であれば、誰もがこんな感じで表現するでしょう。

さて、それではどうして私は、この言葉が紡ぐことができたのか。

それは、「見たものに、日本語を載せられた」からです。

「スケート靴を持った女の子が、後ろを振り返っている」

頭の中で、これらのパーツを認識し、自然な日本語の順に瞬時に並び替えました。

そして、聞いたら、それをイメージできる。だから、上のサッカーの子もどの子か一瞬に分かった。

文字から、絵を紡いだ。

言葉のメカニズムとは「見たもの、経験したもの」を描写すること。

「今日、友達とサッカーしてきた。ゴール決めたよ」

英語も同じメカニズムで、言葉を紡いでいる

A girl is reading a book on the roof.

さて、従来のやり方であれば、これを一語一語和訳して、日本語の語順に並び替えます。これが100年以上、日本で続いてきたやり方です。

A girl is reading a book on the roof.
(一人の女の子が、その屋根の上で、一冊の本を読んでいます)

こうやって、私たち日本人は文字だけで理解してきました。

そこに「文法の知識」を詰め込みました。やれ現在進行形だ、前置詞句だ、と解説し、そこを中高6年間突き進んできた。

そして、その後で話者になれず、苦しんでいるのが多くの日本人です。

リスニングをしていて、文字がいっぱいになるでしょう。英語を話そうとした時、頭の中で「日本語→英語」がうまくいかなくなるでしょう。

もちろん、ネイティブの頭の中は、こんなことになっていません。日本語なんて知らないのですから。

では、ネイティブの頭はどうなっているか。

もちろん、日本人の日本語の理解と、全く一緒のやり方です。

A girl is reading a book on the roof.

頭の中で、これらのパーツを英語で認識し、その実体を思い描いている。無理に日本語に何てしない。いや、できない。する必要もない。無駄な作業です。

ネイティブの頭の中は至ってシンプル。言語の切り替えなんてしていない。そのまま、彼らなりの感性や法則で組み立てて、言っているだけ。だから、誰でも英語を話せる。どんな子でも。

まず「文字」ありきではなく、「状況」ありき

そしてネイティブは幼い頃から、何度も何度も型をつけて長年英語を言ってきたから、もう6歳児になったら、ペラペラでしょう。

十分な期間、言語を育んできた。言語習得には、時間は必要。

だから、経験したものは、何でも簡単な英語ですぐに表現できます。そしてそれを駆使する練習(運動)を、毎日しています。

しかし、私たち日本人は英語を文字から入ります。そして、文字で完結します。

そのため、英語を「聞く・話す」ときは、頭の中でウンウンと日本語を英語に切り替えるしかないので、上手くいきません。

まず、『文字ありき』ではないのです。まず、『状況ありき』なのです。「girl」という文字が先にあったのではなく、まずは「girl」がいたのです。

日本人が文字を日本語に訳している間に、海外ではみんな、その状況に当たる単語を毎日、どんどん口にしています。

やはり、この差はとても大きい。国家レベルで、大きな回り道になっています。

ちなみに複数年、勉強されてきた方は、下の写真をどれだけ英語で表現できるでしょうか。

日本語のように、英語が口から出てきますか?

誰がどこで何をしているか、正確に描写できるでしょうか。主語が設定できますか。次に動詞が出ますか。その次に目的語が来ますか。前置詞が続きますか。名詞の前に冠詞が出ますか。名詞で終われますか。

それができないと、自分が経験したものを相手に伝えられないことになります。

つまり、今日あったこと、昨日あったこと、明日すること。思い描いたものが英語で表現できない。

つまり、「話せない」という結果に繋がります。

文字だけで学んできてしまった人は、ネイティブのように、言葉を自由に紡げない。言語に一番大事な、「感覚」を全て置いてきたまま、学んできてしまったので。

資格試験の点が取れても、それとはまた、全く別の話です。向こうの6歳児であれば、上の写真を見て、ペラペラ描写します。なぜなら、日常それをやってきているのですから。

これが以前私が言っていた、「骨付きの肉」で学ぶ方法です。生活のシーン(イメージ)と一緒に、英文法を取り入れる。

シーン(イメージ)は、英語の世界への「窓」です。

イメージから入り、どんどん感覚を英語に合わせて、少しづつ自分の日常に移していきましょう。

次回、be動詞から説明します。

日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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