英語を日本語に切り替えず、そのまま理解する
英文法×イメージ

イメージと一緒に英文法を学ぼう

日本人は英文法をどうやって学んできたか

今後ですが、一緒に英文法を始めから学んでいければ、と思っています。

さて、英文法に関してですが、これはスポーツなどでいう「ルール」のようなものだと思います。つまり、決まりごと。

例えば、「Bill came to Japan to teach English.」という文章があります。

これはどう理解するか。学校ではまず、この一文を黒板に書きます。

came………「come」の過去形。不規則変化動詞。
to do something………to不定詞の副詞的用法。「〜するために」と訳す。

こうして文法を解説し、一つ一つ、単語を和訳して、日本語順に並び替えます。

Bill came to Japan to teach English.
(ビルは、英語を教えるために、日本に来ました)

これで丸がもらえます。この後、他の不規則変化動詞を覚え、不定詞の文法問題などができれば、次の単元に進む。

こうやって私たちは、100年以上に渡り、やり方を変えず、英語を理解してきました。少なくとも私が生まれてからは、ずっと変わっていません。

今の親世代が受けた英語は、今も同じ教え方をされている。そして、「話せる」に繋がらなかった。

そしてもちろん、ネイティブの世界ではこんなことは絶対にしません。

ネイティブはどうやって英文法を学ぶか

それは当然です。なぜなら彼らは「日本語を知らない」のですから。和訳はできません。

別に意地悪で言っているわけではなく、本当に知らないのです。日本語に置き換えて、理解できない。

ということは、絶対に「別の理解方法」があるはずです。

そして、100年以上に渡って続いてきた、今までのこのやり方には、致命的な見落としがあります。

何でしょうか。

それは、「ビルを見ていない」ということです。

Bill came to Japan to teach English.

本来、この文章は、ビルがいないと生まれません。なぜならビルのお話だからです。主語は英語で「Subject」、主題です。そのビルを見ていない。

つまり、日本の文法教育は「主語も想定せずに」学ばれていることになります。

もちろん、ネイティブは違います。

そういうビルが必ずいて、誰かが「Bill came to Japan to teach English.」と言っているのを聞き、音と場面と一緒に自然と、英文法を自分のものにしていっている。

そして、これこそが、彼らの文法の理解方法でした。

見て、実生活の中で、学んでいる。

ただそれは、私たちが日本語を覚えたのと同じ過程です。

「ほら、お魚さんがいっぱい泳いでるよ」

「お魚」というものを見て、それを知る。それが主語。「泳ぐ」という行為を見て、状況を理解する。「…でいるよ」から、これは今起こっている、というニュアンスだと知る。このシーンに、日常の中に、正しい文法を合わせてきた。

そして、その音を真似て、だんだんと日本語を形成していく。その後、文字を覚え、多読をかまし、理路整然と話せるようになっていく。

決して、黒板に書いた文字で、文法の参考書で、国語の授業の中で、私たちは日本語を話せるようになったわけではないはずです。

本来、本や文字だけで語学を習得することは、無理な話なのです。だからみんな、英語の話者になるために、この時代になっても海を渡っています。

言語を学ぶ場合、イメージ(想定すること)はとても大事です。

今後、どうやって英文法を学んでいけば「話せる」に繋がるのか

さて今後ですが、従来の通り文字から入り、文字だけで文法を完結させていく方法を取り続けるかどうか。つまり、100年以上続いたやり方でいくか。

それともネイティブのように、実物(イメージ)と音から入り、見て、状況で理解していくのか。ここに英文法を、自然と組み込んでいくか。

「It smells good.」という英文を、「it=それは」「smell=〜の匂いがする」「good=いい」と変換し、それらを日本語順に繋ぎ合わせ、訳して文字だけで完結するか。

それとも実際に花を持ち、匂いを嗅ぎ、「It smells good.」をそのまま覚えて、英語の語順通り、何度も口にするか。

この違いです。

数年後、この差はとてつもなく、大きなものになっています。

もちろん前者であれば、その後、英作文テキスト、表現集、修正テキストなどを利用することになります。今まで「英→日」をやってきた分、今度は「日→英」の勉強を新たに始めることになります。

しかし、後者であれば、基本的にそのまま英語を理解でき、反復して口にしていれば、学ぶごとに、立派にネイティブ英語に近づいていきます。

なぜなら、それがネイティブの辿っている英語の学び方なのですから。インターナショナルスクールはこの方式です。

「英語を学ぶ方向性を自分で選ぶ時代」が、もう、すでに来ています。学校教育のやり方は、今も変わっていません。

そしてこの決定は、今後の英語人生を大きく変えることになります。自分の将来に関わります。

そして、英文法はやはりとても大事です。言語の「ルール」ですから。

他言語を母語にする以上、相手の文化のルールを知りながら学ぶのは、非常に効率がいいのです。

ちなみに作家の北村薫さんは、小説「スキップ」の中でこう言っています。

「文法やらなくっても読めるっていうのは正解だよ。だけど、そいつはよっぽどセンスと力とヤル気がある人がいう台詞なんだ。凡人はな、文法をやったほうがよっぽど楽なんだ。特急券なんだよ。苦労の末につかむ筈の法則を、最初にぽんと教えてもらえるんだから」(『スキップ』より抜粋)

これは、名言だと思います。

ルールを知り、それを意識しながら、言葉を紡ぐ。そして、そこには必ず情景があるはず。日常に文字などない。情景に音を重ねたものが言葉です。

「お魚さんがいっぱい泳いでいるよ」と言えば、水槽が浮かぶでしょう。

情景を文字にしたものは、ただの骨組みであり、骨組みだけをどれだけ見ていても、日常に骨は見えない。

なぜなら日常には、肉しか見えないのですから。

イメージと一緒に文法を学ぶというのは、「骨付きの肉」で学ぶこと。つまり、私たちの「日常」です。

少しづつ更新をしていきたいと思っていますので、宜しければお付きあい下さいませ。

日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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