英語を日本語に切り替えず、そのまま理解する
be動詞と一般動詞

【Unit 1】be動詞(2)-英語は「左に詰める言語」

言葉とは「状況」を説明するもの

前回の記事で、言葉とは「状況を説明するもの」と書きました。それは英語も日本語も同じです。

「自分、花粉症でさあ。春になったら、目が痒くなるよ」
「今週末、デートなんだ。晴れたらいいなあ」

こんな感じです。

『誰かが、何かが、どうだ、何する、誰に、何に、いつ、どこで、どうやって、どうして』などの説明が、言葉の基本です。

そもそも中学・高校で必死にやっている、そしてやってきたのは、これです。習ってきた5文型【SV、SVC、SVO、SVOO、SVOC】は、全て「主語(S)の説明」です(いつか5文型の説明をします)。

そして、ここにある規則性が「文法」です。

つまり、文法を正しく使い、主語を正確に説明できれば、英語の話者に近づきます。

日本人は「英会話」になった途端、「フレーズ暗記」になるので、ここが空洞化してしまいます。その道に行くと、今まで培ってきた文法知識が死んでしまいます。

しっかりとここを、「話せる」までもっていきましょう。

英会話とは、海外ドラマに出てくる「スラング」や「便利フレーズ」を覚えて終わるような、単純な話ではない。

そして復習ですが、これを英語話者は「be動詞の文」「一般動詞の文」かの、どちらかを使って表現します。

“I have seasonal allergies. My eyes are itchy during spring.”
“I am going on a date with my girlfriend this weekend. I hope it will be fine.”

英語を話せる人は、長年の経験により主語と動詞を瞬時に組み合わせ状況を正確に説明します

そして、主語の後にbe動詞があれば、それは「be動詞の文」です。

英語は、主語周辺にある、「動詞」に着目しましょう。そこで「性別」が決まります(疑問文であれば、主語の前に出ています)

そして今、目が痒いことを「My eyes are itchy.」と表現しましたが、これは「I have itchy eyes.」とも言えます(「itchy」は痒い意味、「have」は状態を持つ一般動詞です)

つまり、同じ状況をbe動詞を使っても、一般動詞を使っても表現できるケースが多々あります。

これはその都度、パターンを増やしていくしかありません。ただ、伝えたいことは一緒。この状況です。結局、この絵を相手に伝えられたら、勝ちです。


My eyes are itchy.
(be動詞の文)
I have itchy eyes.
(一般動詞の文)

色んな状況(イメージ)を、色んな表現や動詞を使って、文章単位で説明できるようにしていけば、英語が柔軟に使えるようになっていきます。

ちなみに私たちが日本語が自由に話せているのは、同じ状況でも、色んな表現で説明できるからです。

英語は「極力短くする、左に詰める」言語

さて次に、英語にはある特徴があります。それは、「極力短くする、左に詰める」というものです。

ネイティブと会話をしていると、よく「短いからこうした方がいい」と表現を修正してきます。英作文の添削でも、全体の何分の一かをカットされて、モヤモヤした方も多いでしょう。

言いたいことは同じなのに、なぜそんなことになるか。

それは両言語の「性質の違い」です。

日本語とは、「極力長くする、右に詰める」言語です。

「ええ、諸君。これから君たちが出て行く世界は、とても大きな海を渡るようで、甚だ大変ではありますが、是非大きな夢を持って欲しい」

言いたいことは「大きな夢を持って欲しい」の「欲しい」に当たるものです。

しかし、日本語はこうして最後に動詞を落とすので、「その前」がどんどん太ります。仰々しい飾りも増える。言いづらいことであれば、言い訳が増える。

こうして、文章の中身(本文)が膨れ上がっていく。重力は右方向へ働きます。

そのため日本語の最終形態は、政治家の答弁のようになります。何だか色々と大事そうなことを言っているけど、結局結論が分からないような。それが、日本語のメカニズムです。

しかし英語は逆に、「I want you to dream big.」などと、既に2語目に日本語の「欲しい」に当たるものを出さないといけない言語です。

つまり、左詰めになる。重力は、左方向に働きます。言いたいこと(動詞)を、すぐに出す。

英語はこのように、スッパーンと「動詞を二語目に出す」言語。シュッとしている。

そのため、「日本語→英語」に一語一語そのまま切り替えると、必然的に英語が長くなっていきます。

だから、せっかく苦労して「日本語→英語」にしても、「英語ならそんなこと言わないよ、変だよ、結局何が言いたいの?」となる場合が多々あります。ネイティブがカットしてくるのは、ここです。彼らが見たことのない英語があるのです。

これが日本人が「英語話者に辿り着けない」、大きな理由の一つです。

「英語を話す」とは、一語一語日本語に変換して並び替えて終わるような、単純な話でもない。和訳読解問題とは、勝手が違う。

加えて、英語には「てにをは」がありません。語順で意味を伝える言語です。語と語の合間に切れ目を入れないので、更にギュッと詰まります。

音も繋がったり、消えたりします。その結果、英語は音になると「一つの塊(かたまり)」になります。

日本人が英語の音を拾えないのは、塊になって聞こえてくるからです。

読解は一語一語切って理解してきたのに、音は塊で処理しないといけない。英語が切断できず、理解が追いつかない。

そして頭が日本語のモードのまま、英語を聞いてしまうと、冒頭部分はスルーしがちになります。

また、無理に完璧な日本語訳をしようとすると、冒頭に結論が来て、文章がうまく構築できなくなってしまう。

リスニングをしていて、頭がぐちゃぐちゃになるのは、別に不思議でも何でもありません。ただただ、両言語の感覚が「意味も音も合致しない」のです。逆流の川を泳ぐようなもの。

英語を「聞く・話す」をゴールにするのであれば、日本語的な発想をせず、英語のモードに切り替え、その順番に慣れること。そのため、イメージと一緒に学ぶ方が、効率がいい。

英語は「省略」が起きる

さて、こうして左詰めの言語になると、何が起こるか。

それは、「省略」です。

「I am」は「I’m」、「You are」は「You’re」などになります。

<短縮形>

元の形 変化形
I am I’m
you are you’re
he is, she is, that is, it is he’s, she’s, that’s, it’s
we are we’re
they are they’re

ネイティブはこのように、話すときは「You are…」と言ってきません。必ず「You’re…」できます。左にぎゅっと詰めてくる。

いつもきっちりと「You are…」と省略せずに発音するのは、日本語の感覚です。左方向に重力を働かせていません。

別に文法的に間違いではありませんが、それで話すとリズムも悪くなります。

また、日本人は「文法が合っているか」に着目しますが、ネイティブは「言いやすいか、伝わりやすいか」に着目します。

言葉として使われる以上、文法的正しさは「言いやすさ」などに負けてしまいます。

だから文法に固執してしまうと、本場の生きた英語と乖離してしまうので、ガチガチに固めるのも、本当は良くありません。

最終的には文法的正しさよりも、「どう使われているか」が最終判断になるので、ネイティブ英語の「多聴多読」が話者への最終的な道になります。

最後に例文を少し見てみましょう。

I’m sorry I’m late.

      🔈

Thank you for your help. You’re so kind.

      🔈

He’s hungry.

      🔈

She’s in bed.


⤴️

      🔈

このように、言葉は状況を説明しています。今、どういう状態か、どこにいるか、あるか。それをbe動詞を使って繋いでいきましょう。

「状態を表す単語(形容詞)」や「場所を表す単語(前置詞)」のストックを増やせば増やすほど、文法も活きてきて、伝えられる内容の幅も増えていきます。

次回、「Essential Grammar in Use」のテキストに沿って、沢山の例文をイメージと一緒に紹介します。

日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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