英語を日本語に切り替えず、英語のまま理解する
be動詞

be動詞(1)ー英語の世界観

今後、文法記事を書いていきます。海外でもよく使われている世界的な文法書、「Essential Grammar in Use」に沿っていきます。

英語には「be動詞」の文と「一般動詞」の文がある

さて、まずは基本の「be(ビー)動詞」からです。よく言う、「am/is/are」のことです。ただ、これらは変化形であり、元々の形は「be」になります。

文法を学ぶ前に、まず抑えておきたいことは、英語とは「単語の羅列」である、ということです。

もちろんそれは日本語もそうなのですが、そこには英語独自の法則性があり、それを理解し、自分でも正しく並び替え、正しく変化をさせることで、相手に内容を正確に伝えることができます。

「人に正しく内容を伝え」、「正しく相手のことを理解する」ために文法を学ぶ、という方向性を模索していきましょう。

そして英語には、単語の並び方に「型」があります。

英語は、基本的に主語(S)から始まり、二語目には動詞(V)が来ます。

日本語は全く違います。

日本語は主語がなくても、「疲れたわー」だけで誰が疲れているのが分かる、「状況依存が高い言語」です。英語ほど、型ががっちりしていません。ふわふわしています。

そして、英語の文章は大きく2種類に分かれます。

それが「be動詞の文」、「一般動詞の文」です。

am a boy.(be動詞の文)

play soccer.(一般動詞の文)

これは「男性」と「女性」のようなものだと思って下さい。英語は文には全て性別がある、と考えましょう。

これにより、体の造りが違い、疑問文や否定文にする時に、型の違いが出てきます。この区別が曖昧だと、性別が曖昧な文を作ることになるので、注意です。

英語が苦手な方は、長年の指導経験上、ここがあやふやになっているケースがほとんどです。

そして訳すと(英語を日本語にする)、文章の性別が消えてしまいます。日本語には性別がないのですから。

だから、英語を訳して理解し続けると、ここが混乱してきます。

よく、「be動詞」と「一般動詞」を混在させる人がいますが、それは性別が混在した、変な文だと思って下さい。

(×)I am play soccer.

こういう文を書く人は、英語の土台が崩れていますので、文法の立て直しが必要です。

ちなみに中学や高校で英語が苦手な子は、大体この動詞の選別がやられています。

「be動詞」を繋いで、状況を伝えよう

さて、私たちがいつも日本語で話していることは何でしょうか。

「僕(の名前)は有紀だよ」
「僕は7歳だよ」
「今日は雨だよ」

深く考えたことはないかもしれませんが、言葉とは、基本的にこういう「状況」を伝えるものです。

自分の名前が○○である状況、○歳だという状況、今日の天気の状況。

○○が(は)△△だよ

場面の中に、沢山の状況が浮き上がっているはずです。

僕(の名前)は△△だよ、今日の天気は△△だよ、その椅子の色は緑だよ、このぬいぐるみは柔らかいよ。

こういう状況を伝える時に、be動詞を組み込みます。

I am Yuki.
The weather is fine.
The chair is green.
This stuffed animal is very soft.

こうして、「主語と状況を繋ぐ役割」がbe動詞です。

だから、乱暴な話、なくてもいいです。意味は通じます。

ちなみにネイティブも幼い頃、よく「be動詞」が抜けるようです。それは、なくても意味が通じるからです。

しかし、それは日本語でも一緒です。

「これ、りんご」

意味が伝わるでしょう。だから、子供がbe動詞を抜いてしまうのも、よく分かります。

そのため、be動詞の日本語訳は「です、ます」という、なくてもいいものになってしまいます。

ただ、単語の羅列だけでは、言語として「拙い」感じにもなります。語を並べただけですので。

そのため日本語ならば、「これはリンゴです」と、「は」や「です」などを駆使して、その関係性を丁寧に表現していきます。

しかし、英語には「は」などがありません。英語は、「正しい位置に置いて、語順で意味を伝える言語」です。

そのため、語を適切な位置に置き、しっかり主語と状況をbe動詞でつなぐことが求められます。

加えてbe動詞を正しく理解しておかないと、後で疑問文と否定文が作られなくなりますので、確実に抑えましょう。

そして、英語は「前(主語)から後ろに、順に展開していく言語」です。


This is an apple.

「近くにあるこれ」「一個のリンゴ」だよ。これがこの文章で伝えたいこと。

よく「be動詞」は「=(イコール)」だ、と説明されます。私も昔、塾でそう教えていましたが、今はそうではなかったと思っています。

文字で見れば「This=an apple」かもしれませんが、実生活で見ると、本来「重ねる」が正しいのでしょう。

主語と状況を重ねて下さい。「一致させる」のが、be動詞の役割です。

「主語(言いたいもの)+be動詞+内容(形容詞など)」

まず、文章の主語を置き、その存在・状態を伝えるbe動詞を並べ、そして内容を言う。この並びが「be動詞」の文の鉄則です。

以下、少し例文を見ましょう。

I am a student.

We are happy.

The cat is sleepy.

The smartphone is on the table.

英文が伝えたいことが理解できたでしょうか。まず、主語を絵の中に見つけ、状況(イメージ)を重ねて、理解してみてください。

ちなみに最後の絵は、スマートフォンの場所を伝えています。

「on」は「接触しているよ」の合図です。テーブルに接触しているよ、の合図。つまり、「机の上にあるよ」という状況を伝えています。

もちろん「on」を「under」に切り替えれば、スマホの位置はテーブルの下に行きます。「in」なら、引き出しの中でしょう。

このように、「存在、場所」を伝えることもbe動詞はできる、と覚えて下さい。

主語によってbe動詞は変化するー英語の世界観

さて、ここで日本人にとって厄介なのは、主語によって「be動詞」の形がコロコロ変わるということです。

日本語であれば「私はトムだ」も「あなたはトムだ」も「彼はトムだ」も同じ感覚です。しかし、英語はここの感覚を、主語によって厳格に切り分けます。

よくある表がこれです。

<単数系>

人称 主語 be動詞の変化形
1人称(話者) I am
2人称(対話者) you are
3人称(第三者) he,she,this,that,itなど is

<複数形>

人称 主語 be動詞の変化形
1人称(話者) we are
2人称(対話者) you are
3人称(第三者) they are

今から英語を学ぼうとされる方は、「うげー」とならないで下さい。使っているうちに、段々と覚えていきます。

ポイントは、「Iとyou以外、全て3人称」ということです。

「英語は対話の世界」です。

トムさんである自分(I)と相手(you)との世界観で、英語は紡がれます。

すると、こちらの男性はトムさんの対話の世界に入っていません。外からトムさんを眺めています。距離は関係なく、大事なのは「今、対話しているかどうか」です。

そのため、こちらの男性からすると、「I/you」ではなく、「he」に当たります。その結果、「He is Tom.」になります。

繰り返しになりますが、日本語では「私はトムです」も「あなたはトムです」も「彼はトムです」でも、コンセプトに変わりもありません。ただ、英語は状況によって動詞がコロコロ変わる、日本人にとっては「おかしな言語」なのです。

英語は主語を3つのカテゴリーに切り分ける。それが「1、2、3人称」というカテゴリー名。

そのため、英語を作る際は、主語が自分にとって「I」なのか「you」なのか、それ以外なのかを、まず把握しましょう。

さて、ふと周りを見回してみてください。

あなたが存在している以上、「I」はいつだって存在します。そして今、対話している相手がいれば、「you」です。そして、それ以外は3人称です。

これが英語の「世界の切り取り方」です。

後ろの人たちも車椅子も花瓶も全て、「3人称」です。「人称」とついていますが、人に限らず、物も「3人称」です。

まずは、今の自分の生活の中で「1人称」「2人称」「3人称」を切り分けてみましょう。

できれば今、一瞬顔を上げて、やってみて下さい。

世界が3分割できてくれば、それが英語の感覚です。

文字や日本語訳だけで学んでいると、この感覚はつかないので、できる限り、「立体的に」考えていきましょう。

be動詞の説明は、次回に続きます。

日本人が学んできた「英語」とは何だったのか?


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